中古車を買うとき、どこを見ればいい?
中古車を購入するとき、
「走行距離が少ない車を選べばいい?」
「年式が新しいほうが安心?」
「エンジンの状態はどうやって確認する?」
など、分からないことが多いのではないでしょうか。
中古車は同じ車種・年式・走行距離でも、これまでの使われ方や整備状況によって状態が大きく異なります。
自動車公正取引協議会も、中古車を選ぶ際には価格だけでなく、走行距離・修復歴・整備・保証などを確認することが重要としています。
そこでこの記事では、2級自動車整備士の視点から、中古車を見に行ったときに確認したいポイントを10個に絞って紹介します。
この記事を書いた人
クルマノシルベ運営者
2級自動車整備士
自動車整備に関する知識をもとに、車・バイクの購入・売却やメンテナンスについて、車に詳しくない方にも分かりやすく解説しています。
中古車を買うときに整備士が見る10個のポイント
① 走行距離だけで判断しない
中古車を選ぶとき、まず気になるのが走行距離ではないでしょうか。
例えば、
- 5万km
- 8万km
- 10万km
など、数字だけを見て判断してしまいがちです。
しかし、走行距離が少ない=必ず状態が良い車とは限りません。
反対に、走行距離が多いからといって、必ず状態が悪いとも限りません。
整備士の視点では、走行距離と合わせて、
- これまでの整備状況
- オイル交換などのメンテナンス状況
- 使用状況
- 整備記録
なども確認したいところです。
中古車の広告では走行距離数が表示され、交換・改ざんなどに関する情報も一定のルールに基づいて表示されます。
「何km走っているか」だけではなく、「その距離をどのように使われてきた車なのか」を見ることが大切です。
② 修復歴の有無を確認する
中古車を購入するときは、修復歴の有無を必ず確認しましょう。
ここで注意したいのが、
「事故歴」と「修復歴」は同じ意味ではない
ということです。
自動車公正取引協議会では、一定の基準に基づき、車体の骨格に当たる部位の修正・交換歴がある場合に「修復歴有」と表示するルールがあります。
そのため、
「この車は事故を起こしたことがありますか?」
だけではなく、
「修復歴はありますか?」
と確認することが重要です。
さらに修復歴が「有」の場合は、どの部分を修復したのかまで確認しましょう。
販売店に確認する際は、口頭だけで済ませず、契約書や注文書などの書面でも確認しておくと安心です。自動車公正取引協議会も、走行距離や修復歴などについて注文書に残すことを勧めています。
③ エンジンを始動して異音を確認する
可能であれば、エンジンを実際に始動して確認しましょう。
見るポイントは、
- エンジンがスムーズに始動するか
- アイドリングが安定しているか
- 普段聞かないような異音がないか
- エンジンの振動が極端に大きくないか
- 警告灯が点灯していないか
などです。
特に異音については、車種やエンジンによって正常な音も異なるため、音だけで故障と判断するのは危険です。
「カタカタ」「ガラガラ」「キュルキュル」など、気になる音がある場合は、販売店に確認し、必要であれば整備士に見てもらいましょう。
④ オイル漏れがないか確認する
中古車を見るときは、エンジン周辺などにオイルが漏れたような跡がないかも確認します。
特に、
- エンジン周辺
- 車両の下側
- 駐車場所の地面
などを確認してみましょう。
ただし、車の下側は見えにくい部分も多く、外から見ただけでは判断できないことがあります。
そのため、
「オイル漏れはありませんか?」
と販売店に確認するだけでなく、整備記録や点検結果も確認すると安心です。
⑤ 冷却水・エンジンの冷却状態を確認する
エンジンを正常な温度に保つためには、冷却系統が重要です。
中古車を見るときには、
- 冷却水の状態
- リザーバータンクの状態
- 冷却水漏れの跡
- ラジエーター周辺
なども確認したいポイントです。
ただし、エンジンが熱い状態でラジエーターキャップを開けるのは危険です。
自分で確認する場合は、無理に部品を触らず、販売店や整備士に確認してもらいましょう。
⑥ タイヤの状態を見る
タイヤは、購入後の安全性や出費にも関係する重要な部分です。
確認したいのは、
- 残り溝
- 偏摩耗
- ひび割れ
- タイヤの製造時期
- 4本の状態に大きな差がないか
などです。
特に見落としやすいのが偏摩耗です。
タイヤの内側だけ、外側だけが極端に減っている場合は、足回りやアライメントなどに問題がないか確認したほうがよい場合があります。
タイヤがかなり摩耗している場合、購入後すぐに交換が必要になる可能性もあります。
つまり、車両価格だけでなく購入後に必要になる費用まで考えることが重要です。
⑦ ブレーキ・足回りを確認する
ブレーキや足回りも重要なチェックポイントです。
可能であれば試乗して、
- ブレーキを踏んだときに違和感がないか
- ハンドルが取られないか
- 異音がしないか
- 段差を通ったときに異常な音がしないか
- 車が不自然に揺れ続けないか
などを確認します。
ただし、試乗できるかどうかは販売店や車両によって異なります。
試乗できない場合でも、販売店に、
「ブレーキや足回りについて点検されていますか?」
と確認してみましょう。
⑧ バッテリーなどの消耗部品を確認する
中古車を購入するときは、故障につながる部分だけでなく、近いうちに交換が必要になる消耗品も確認しましょう。
例えば、
- バッテリー
- タイヤ
- ブレーキパッド
- ワイパー
- エンジンオイル
- 各種フィルター
などです。
これらは車両価格とは別に、購入後の維持費として考える必要があります。
特に中古車では、
「車は安かったけど、購入後に消耗品の交換が重なった」
というケースも考えられます。
⑨ 整備記録・点検整備の有無を確認する
個人的に、中古車選びでかなり重要だと考えているのが整備記録です。
同じ走行距離の車でも、
定期的に点検・整備されてきた車
と、
ほとんど整備記録が残っていない車
では、確認できる情報量が違います。
中古車の表示では、定期点検整備の実施状況や保証の有無などが確認できるようになっています。
販売店に、
「整備記録は残っていますか?」
「これまでどのような整備をしていますか?」
と確認してみましょう。
⑩ 保証の内容を確認する
最後に確認したいのが保証です。
中古車の場合、
「保証付き」
と書いてあれば安心……とは限りません。
重要なのは、
何が保証されるのか
です。
例えば、
- エンジン
- トランスミッション
- 電装系
- エアコン
- その他の部品
など、保証対象は契約内容によって異なります。
また、
- 保証期間
- 保証距離
- 保証対象部品
- 保証を受ける条件
なども確認しましょう。
自動車公正取引協議会も、中古車購入時には保証範囲を確認し、保証書を受け取ることを案内しています。
初心者が特に見るべき3項目
ここまで10個紹介しましたが、
「そんなにたくさん確認できない」
という方もいると思います。
そこで、初めて中古車を購入する方なら、まず次の3つを重点的に確認してみてください。
① 修復歴
まず確認したいのが修復歴の有無です。
「修復歴なし」と表示されているかだけでなく、気になる点があれば販売店に確認しましょう。
② 整備記録
次に確認したいのがこれまでの整備状況です。
定期的な点検・整備が行われてきたのか、どんな整備を受けてきたのかを確認しましょう。
③ 購入後に必要になる費用
最後に、車両価格だけで判断しないことです。
例えば、
- タイヤ交換
- バッテリー交換
- 車検
- メンテナンス
- 消耗品交換
などが購入後に必要になる可能性があります。
中古車の広告では、購入時に必要な費用を含む「支払総額」が表示されるルールになっていますので、車両価格だけではなく支払総額を確認することが大切です。
中古車は「安さ」だけで選ばない
中古車選びでは、
「この車、安い!」
という価格だけに注目してしまいがちです。
しかし、本当に大切なのは、
購入価格+購入後の維持費+車両の状態
を総合的に考えることです。
同じ車種でも、整備状況や使用状況によって状態は異なります。
自動車公正取引協議会も、同じ車種・グレード・年式・走行距離であっても、1台ごとに車両状態は異なると説明しています。
まとめ|中古車は「走行距離」だけで選ばない
中古車を購入するときに整備士の視点で確認したいポイントを10個紹介しました。
今回のポイントをまとめると、
- 走行距離だけで判断しない
- 修復歴を確認する
- エンジン始動時の状態を見る
- オイル漏れを確認する
- 冷却系統を確認する
- タイヤの状態を見る
- ブレーキ・足回りを確認する
- 消耗部品を確認する
- 整備記録を確認する
- 保証内容を確認する
です。
特に初めて中古車を購入する方は、
「修復歴」
「整備記録」
「購入後に必要になる費用」
の3つを意識してみてください。
そして、分からない部分を無理に自分だけで判断する必要はありません。
販売店に質問したり、必要に応じて整備士などの専門家に車両状態を確認してもらうことも、中古車選びでは有効です。
クルマノシルベでは、2級自動車整備士の知識をもとに、車・バイクの「買う」「売る」に役立つ情報をこれからも分かりやすく紹介していきます。

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